手軽にできる暑さ対策


冷房を使わずに暑くなった室内を涼しくするには

気をつけたい屋内熱中症

暑さ対策が必要な理由は、暑さによって引き起こす熱中症です。熱中症というと屋外のイメージがありますが、実際は40%が住居内で発生しています。また、昼間だけではなく、夜間でも発生するため、夜だから大丈夫といえません。時間帯や場所関係なく、熱中症対策が必要といえるでしょう。熱中症は重症になると命を落とすこともあり、暑さを我慢することは非常に危険です。しっかり暑さ対策を行いましょう。

サーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させる

エアコンを使用する場合、サーキュレーターや扇風機を併用すると空気の循環ができます。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に行く性質があるので、エアコンがついている壁側と反対側に背地すると効率がアップします。
エアコンとサーキュレーター・扇風機だと電気代が心配ですが、エアコンのみと比べると併用したほうが節約にも有効です。

日差しを遮る

室温が高くなってしまう原因に、部屋に差し込む日光があげられます。部屋のカーテンを開けっぱなしで出かけ、戻ったときの部屋が暑かったという経験がある人も多いのではないでしょうか。すぐにできる対策としてはカーテンを閉めて直射日光を遮断することです。通常のカーテンでも十分効果があります。
また、カーテンと併せてベランダに、すだれやグリーンカーテンを設置して陰を作り出すのも効果的。冷房効率もアップします。

湿度を下げる

除湿も効果的です。空気中の水分が多いと湿度は高くなります。湿度が高くなると液体が気体に変化する気化熱が発生しにくくなるため、熱がこもり、暑さを感じやすくなります。湿度が10%違うと体感温度は2度違うといわれているため、除湿機やエアコンの除湿機能を使って湿度を下げるようにしましょう。
労働安全衛生法に基づく衛生基準では、快適な湿度は40~70%が目安となっています。

打ち水で気化熱を利用

打ち水も暑さ対策に効果的な方法です。打ち水によって熱が空気中に逃げる気化熱が起き、水がかかった面が冷えるので、ベランダや屋根、外壁に水を撒くと周辺温度が下げられます。
ただし、日中の暑いタイミングや、熱されたアスファルトに打ち水すると湿度が上がり、むしろ体感温度が高く感じるので、注意してください。打ち水をするタイミングは気温が上がり切っていない朝方や太陽が落ち始める夕方ごろがおすすめです。

エアコンを上手に使おう

暑いときは無理せずエアコンを使いましょう。エアコンを効率よく効かせるためには室内の温度と湿度を適切に保つことは非常に重要です。

エアコンは自動運転がおすすめ

エアコンの自動運転がおすすめの理由は省エネ的にも冷房効果的にも最も良い状態に設定されているためです。エアコンは、室内温度を設定温度までにするのが一番電気を使い、設定温度になると電気はあまり使いません。
エアコンの自動運転は室温が設定温度になるまで強風運転、その後は微風運転と効率よく運転するため、一番電気代をかけない効率的なモードなのです。

こまめなエアコンのオン・オフは逆効果

エアコンを使う際、適温になったらスイッチを切り、暑くなったらスイッチを入れるというこまめなオン・オフを行うと、電気代が高くなってしまいます。先にも述べた通り、エアコンは室温を設定温度にするまでが一番電気を使うため、こまめにオン・オフせず、適温になったら自動運転で保つほうが電気代を節約できます。

こまめにフィルターを掃除する

フィルターは2週間に1度の掃除が理想的です。フィルターの掃除をしないと水漏れや異臭など不具合の原因になる可能性も。フィルターを掃除することで電気代が節約でき、室内に清潔な風を送れます。
エアコンから、フィルターを外したら掃除機でほこりを吸い取ります。この時、フィルターの表面から吸い取るのがポイントです。エアコンの空気はフィルターの表面から裏面に向かって通り、汚れも同じ方向で出ようとします。裏面から吸い取るとホコリがフィルターの目に詰まってしまうので注意してください。汚れがひどい場合は水洗いし、しっかり乾燥しましょう。

室外機周りに何も置かない

室外機は基本メンテナンスしなくても大丈夫なようにできています。メンテナンス不要ですが、キチンと動作する環境を作ることは必要です。直射日光が当たらないように覆いを設置するだけで、冷房効率が良くなります。また、室外機周りに物があると、エアコンの効率が悪くなってしまいます。室外機周りの風通しが良くなるようにしてください。

屋外の暑さ対策

屋外の暑さ対策

炎天下の中で長時間いると熱中症になる危険性があります。夏場、屋外で作業をしたり、イベントに参加したりするときは、暑さ対策は必須といえるでしょう。

こまめな水分補給

熱中症を防ぐにはこまめな水分補給が欠かせません。のどの渇きを感じたら、熱中症の疑いが出てきています。そうならないためにものどが渇く前の水分補給が必要です。暑い季節は発汗しやすくなります。大量の発汗は水分だけではなく、ミネラルも失われてしまいます。ミネラルが不足すると筋肉の収縮に支障をきたすため、足をつる原因にもなります。
大量の汗をかいたら、経口補水液や塩分、ミネラルを含むスポーツ飲料を摂取するようにしましょう。

通気性がよい・接触冷感アイテムを身に着ける

夏に身に着けるアイテムのポイントは通気性と接触冷感です。一般的なウェアの中には空気がこもりやすく、熱を持ちにくいものがあります。通気性の良い生地であれば熱を放出しやすく、汗や蒸れを軽減できます。速乾性・吸水性・吸湿性に優れ、抜群の通気性をもつリネン、吸水性がよく肌触りのいいコットンは通気性がよい素材です。
肌に触れるとひんやりとした冷たさを感じる接触冷感があると、暑い日も冷感を得やすいでしょう。

帽子や日傘で直射日光を避ける

夏の強い日差しを直接浴びると、余計に暑く感じるため、帽子や日傘で日差しを作るとこで体感温度を下げられます。特に日傘は効果的で、環境省が全国9自治体と協力して行った実験では、熱中症の危険度を表す暑さ指数が日傘をさした場合とそうでない場合で比較したところ、さした場合が1~3度下がったという結果がでました。さらに日傘をさしたほうが発汗量も減量することがわかっています。
百貨店などでは女性用はもとより男性用日傘も増えました。軽量タイプや折り畳み、晴雨兼用など多くの選択肢から選べるようになっています。

サングラスをかける

見落としがちな目の紫外線対策。長時間屋外で活動する場合、紫外線ダメージによる目のトラブルを抑制するためにもUVカットレンズのサングラスをかけるようにしましょう。
また、紫外線が目に入ってくるだけでも、肌は日焼けしてしまうので、日焼け防止にもなります。レンズの色を寒色系にすると脳が涼しい景色と勘違いして、実際よりも体感温度が下がるそうです。もはやサングラスはファッションだけではなく、目を保護するためのマストアイテムといえるでしょう。

日焼け止めを塗る

1日中屋外で過ごす場合、日焼け止めを塗るのは必須といえるでしょう。できるだけSPF値が高いものがおすすめですが、肌トラブルが起きやすい場合は自分の肌にあったものを使いましょう。日焼け止めは塗ったら1日中持つものではないので、塗りなおす必要があります。スプレータイプを携帯しておくとさっと塗りなおしができて便利です。

車内の暑さ対策

カーエアコン

真夏の車内を放置した場合、温度は50~60度まで上昇します。日に晒された車は熱中症を引き起こしやすい環境なので対策が必要です。そこで、車内の暑さを快適にする方法を解説します。

車を駐車した時の対策

車を屋外に駐車する場合、熱が車内にこもらないようにすることが重要です。

少し窓を開けておく

駐車時、窓を閉め切ってしまうと車内は密室となり熱がこもってしまいます。駐車時は手が入らない程度のすき間を作り、空気の通り道を作っておきましょう。JAFのテストによると窓を少し開けておくだけで、45度程度まで抑えられます。

サンシェードを設置

外から熱を入れないために、サンシェードが有効です。サンシェードが持つ主な役割は車内温度の上昇を防ぐこと。猛暑日の車内は50度を超え、ダッシュボードは70度にも達します。JAFのテストによるとサンシェードの有無で最高温度は約7度違うことが分かっています。
また、高温の状態でいるとダッシュボードやハンドルが直射日光によって成分が解けベタベタしてしまいますが、サンシェードによってこのベタつきを防ぐ効果もあるのです。

断熱フィルムを貼る
熱線や紫外線をカットする断熱フィルムをガラスに貼るのも効果的。断熱フィルムは透明なタイプも豊富なので、フロントガラスや運転席、助手席側のサイドガラスにも貼ることが可能です。

乗車時の対策

真夏の屋外に晒された車内はとても暑くなっています。このタイミングで車を冷やすことで、エアコンの効きを早めることができるのです。

外から水をかける

乗る前に車の外から水をかけるだけでも効果があります。車のボディは鉄でできているため、熱しやすく冷めやすいので、水をかけるとわずかに冷えます。出先であればペットボトルの水でもOK。ダッシュボードを濡らしたタオルで拭いても効果的です。

ドアと窓で換気する

車内にこもった熱を外に逃がすための方法で、助手席側の後部座席の窓を全開にして、運転席側のドアを5回ほど開け閉めします。これで車内が換気され、効率よく温度を下げられます。窓とドアを開ける場所が対角線上になることと、ドアで風を起こすことがポイントです。

窓を開けて走り出す

すぐに出かけたい場合、窓を全開にしてエアコンは外気導入にします。その状態で5分ほど走ったら窓を閉めて、エアコンを内部循環に切り替えます。JAFによると車内温度55度の状態でも5分後には28度まで下がるそうです。